Header image

箇条書きでは大事な主張を先頭に書く

本書では文章を書く際に、いきなり整った文章を書こうとせずに、まずは箇条書きから始めることをお勧めしています。箇条書きの段階でじっくりと推敲をする方が、文章を書いては消しをするよりも楽であり、文章の構造を見極めやすいためです。

ところが、箇条書きといえど書き方の上手下手があるもので、注意しないとせっかくの箇条書きも効果が半減してしまうことがあります。

例えば、慣れない学生はこんな形の箇条書きを書きがちです。

  • 廊下に置いてある段ボールは後日まとめて集積場に持っていくので、捨てないでください

上記の箇条書きの問題点は、まず項目が長いことです。一番伝えたい情報は「廊下に置いてある段ボールは捨てないで」なのですが、これが項目の後方に書かれているために見つけにくいのです。また、この項目は「理由(後日集積場に持っていくので)」と「主張(段ボールは捨てないで)」と、2つの要素が一項目に詰め込まれてしまっていて、箇条書きの利点を活かせていません。

箇条書きではまず主張を主項目として書きましょう。それを補足する項目は副項目として書くのです。

つまりこういう形にすべきです。

  • 主張
    • 理由

先程の例に当てはめるとこうなります。

  • 廊下に置いてある段ボールは捨てないでください
    • 後日まとめて集積場に持っていきます

こういう書き方を身につけておくと、伝えたい主張を相手に素早く見つけてもらいやすくなります。

ちなみに筆者がいる研究室では、ゼミの記録やToDoリストなど、メンバー間の情報共有のためのメモも全て箇条書きで書くようにしています。そうしたメモは素早く目を通して要点を掴めることが大切ですので、ここで紹介した箇条書きの書き方はとても役立ちます。

プレゼンテーションスライドでも箇条書きが多用されますが、やはり主張は主項目として書くようにすると、一目で要点が伝わるスライドを作れます。

ところで、大事なことを主項目に書き、理由をその後に書くというこのやり方は、先日紹介した飯間浩明『伝わるシンプル文章術』で提唱されている「クイズ文」と共通しています。「クイズ文」の書き方を身につける練習においても、箇条書きは有効に活用できそうです。ぜひ試してみてください。