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辞書を有効活用しよう

よい文章を書く上で絶対に欠かすことのできない道具が、辞書です。

作家の井上ひさしは、辞書を持たずに文章を書くのは包丁を持たずに料理するようなもの、なんてことを言っています。同じく作家の大江健三郎は『広辞苑』を引き過ぎて、何度も壊しては新しいのを購入したという話が伝わっています。小説家の場合は意図的に耳慣れない言葉を使わねばならないことも手伝ってのことなのでしょうが、プロの作家にとっても辞書は毎日のように使う道具なのです。

いわんや、作家ほど言葉に習熟していない我々にとってはなおさら、辞書は文章を書くときにはとても頼りになる、常に座右に置いておくべきものです。

さて、文章を読むときならともかく、書くときに辞書がなんの役に立つのか、という質問を受けたことがあります。書きたいことを表すのにふさわしい言葉がわからないときに、辞書で調べようにもどうやって調べればいいのかわからないではないか、というのがその心でした。

言われてみれば、学校で教わる辞書の使い方は「知らない言葉を辞書で引く」くらいのものであり、本格的な辞書の使いこなし方は教わる機会のなかった方も多いでしょう。

そこで本ブログではこれから数回に渡って、文章を書くときのための辞書の活用法を紹介していきます。

目次

  1. 語釈の順序について
  2. 辞書を速く引けるようになろう
  3. 「知ってるつもり」の言葉も確認しておこう