文は短く簡潔に、というのが文章書きの基本ですが、長い文でないとうまく表現できないこともあるでしょう。
しかし、長い文章はどうしても見落しやうっかりミスによって、伝わりにくい文が入り込んでしまうものです。
本TOPICでは、長い文でついやってしまいがちなミスについての注意事項を紹介します。
二重主語文に注意
四国支社は効率の改善目標は達成された。
のように、主語として読める語句が複数ある文は、その主体が不明瞭になります。声に出して読むのであれば、間をあけたり抑揚をつけたりすることで、どちらが主語であるかを匂わせることができることもありますが、文章の場合は純粋に文字情報のみで意味を明確に伝えることが必要です。
主語と述語の不整合を避ける
電子書籍の利点は、マークした文章をオンラインで取り出せるため後で資料として使うのに便利である。
この文の主語は「利点は」、述語は「便利である」であり、両者が対応していません。これを整合させると、
- 電子書籍の利点は〜便利なことである
- 電子書籍は〜便利である
といったようになるでしょう。後者を採用するなら、
電子書籍はマークした文章をオンラインで取り出せるため、後で資料として使うのに便利である。
自分の文章にこのような不整合が紛れ込んでいないかどうかを点検するには、主語と述語だけ取り出して、つなげてみましょう。他の補足情報を取り除いて主語と述語だけにしても文として成立していれば、つまり主語と述語が整合していれば、その文は問題ありません。
主語と述語を近付ける
主語と述語との不整合の問題は、長い文で主語と述語が離れてしまっているときの起きがちです。基本的な方針として、主語と述語は近付けておくのがよいでしょう。「3.12 修飾語と被修飾語の関係を改善する」も参照してください。