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基本は「導入・本論・展開」の三部構成

旧版2-2図解

文章全体をどのような構成にすればよいか。小は日々の報告書やメールから、大は論文・技術文書まで、日々頭を悩ませる問題です。ときに「起承転結」などという言葉を思い出したりもしますが、これは本書コラムにも書いたとおり、本書が対象とするような文章にはあまり向いていない上、そもそもなにを「起」や「承」に書けばいいのか、「転」とは具体的にどうひっくり返せばいいのか、ちゃんと教わった経験ある人は少ないでしょう。

そこで、本書では誰にでも、どんな文書にでも通用する基本原則として 「導入・本論・展開」の三部構成 をまずは教えています。

「導入」は、端的に言えば「その文書を読む理由を読み手に与える部分」です。その文書の本論や展開に書いてあることが、読み手とどのような関係にあり、どのような意味を持つのかを、読み手が判断できるような情報を示すことが求められています。典型的な例としては、

  • この文書は、おおまかに言えば何について述べたものか
  • そして、その内のどのような話題について詳しく述べたものか
  • どのような結論が得られたか

といった事をおおづかみに読み手に理解してもらうことを目指します。「1-3 大事なことは早く書く」で述べた「大事なこと」というのはこれを指しています。

「本論」は説明不要でしょう。書き手が読み手に伝えたい情報を詳しく述べる部分です。

「展開」は、本論で示した情報をどのように判断し活用するのか、書き手からの要望やアドバイスを読み手に伝える部分です。いわば読み手への「お土産」とでもいうべき情報をここには記します。

こうした三部構成はよく「序論・本論・結論」と呼ばれたりもしますが、「序論」や「結論」という名前だと、それぞれどのような役割を担っているのか、いまひとつハッキリしません。そこで本書ではこのような呼び方をしています。