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とにかく書いてみる

旧版4-1図解

「まず書いてみる」は、文章の書き方についての教えの中でも特に重要なものの一つです。にも関わらず、どれほどこの教えが実践されていないことか!

「文章がうまく書けないんですが…」という相談に対して「とりあえず、書いたものを見せてごらん」と聞いてみると「いや、だから書けてないんですが…」と返されるという、おそらく全国の学校や職場でなされているだろうこのやりとりの度に本書が一冊売れてくれれば、著者の我々は大金持ちになれそうです。逆に、もしこの教えが忠実に守られていれば、本書執筆の必要性は限りなく薄かったことでしょう。

とはいえ、著者自身もかつては「書けないから書かない、書かないから書けない」の側でしたので、書けない人の気持ちはよくわかります。いきなり8ページもの文章を書け、と言われてもいったいどこから手をつけていいのやら。悩む内にも容赦なく時間は過ぎていき、焦りがつのるばかりですから、ますます冷静に文章構成なんて考えていられない状況に追い込まれてしまいます。

またそんなときに限って、与えられるアドバイスときたら「とにかく書いてごらん」だったりするので、「書けないから書かないんじゃボケ!」とも言いたくなるというものです。

さて、本書もご多分に漏れず「とにかく書け」とアドバイスしているのですが、本書のアドバイスは一味違います。というのも、第2章「構成を練る」で、文章全体をどのように構成すればよいのかについて、具体的に解説しているからです。また、文章をパーツの組み合わせで書く方法についても詳しく取り扱っています。ですから、「書けるところから書く」という方針でまずは最初の一歩を踏み出すことができるようにしています。

これと、次の「4-2 『とにかく書く』ための箇条書き活用法」をあわせることで、これまでよりかはいくらかは落ち着いて、着実に書き始められるようになるでしょう。