「誰にでもわかる文章を書く」のは簡単なことではありません。「4-1 とにかく書いてみる」では、「書きたいけど書けない」という状況からの脱出方法について説明していますが、そこを脱け出してなお高い目標が待ち構えています。
この目標に辿り着く方法は、著者はただ一つ、「何度も書く」という方法しかしりません。
かの文豪・ヘミングウェイも「文章術なんてものはただ一つ、『書き直すこと』だけだ。(The only kind of writing is rewriting.)」と述べたと言われています。ヘミングウェイですらそうなのですから、私達がやるべきことも同じです。粛々と、書き直し続けることしかありません。
さて、出来の悪い文を書き直すときは、その文を上書きしながら直すのではなく、出来の悪い文の下に新たに文を書いて並べ、読み比べるとよいでしょう。文の良し悪しは相対的なものですから、比べる対象を残しておくのが効果的です。見比べる際には、「3-1 厳しい読み手になろう」も参照するとよいでしょう。
また、全体を完成させる際には、文言を削って文章を絞り込む作業を行いましょう。何度も書き直す段階ではつい文言を増やしがちで、次第に贅肉が増えていきます。それらを最後にバッサリと削ぎ落とす必要があります。削る量の目安は、文字数で5% というのが著者の経験則です。10%削れ、という人もいます。
書き直しや絞り込みの際には、書くための道具をうまく使いこなせると効率よく行えるようになります。もし書き直しや絞り込みを面倒だと思うならば、ちょっと道具についても気を配ってみてください。