読み手にわかりやすい説明を心がけるあまり、背景説明をつい長く書いてしまう例をよく見かけます。確かに「1-2 読み手を意識する」や「2-1 既知の情報から新しい情報へとつなげよう」では背景情報を読み手に提供せよと説明していますし、適切な量の背景説明はもちろん必要不可欠なものです。しかし、いつまでたっても主題に辿り着けないくらい長々と書いてしまっては本末転倒です。
どんな文章でも、一番大事なのは主題を読み手に伝えることです。背景説明はその目的のためにあるのであって、勉強の成果を示すためにあるのではありません。
ですから、背景説明は主題を理解するための必要最低限の内容に絞り込むことが大事です。背景説明を、読み手を主題まで導くための道にたとえるなら、回り道をせずまっすぐ最短距離を通る道を用意しましょう。
内容を絞り込む判断基準として、本書では以下の二つを挙げています。詳しくは本書をあたってください。
- 「問題」(issue) についての背景説明に絞る
- 「手段」(method) についての背景説明は省く